徒然乃記

愛猫の事、日常の些細な風景、そして仕事(建築)の事等を徒然に綴っていきたいと思います。

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不思議な縁!

「会社辞めていいかな?」と突然、所長が呟いた。
当時、所長は小池さんが理事長をしていたOMソーラー協会で働いていた。その会社は、簡単に言うと東京藝術大学の奥村先生が考案したソーラーシステムを普及する会社で、企画力もあり、推進力もある小池理事長のもと、全国の工務店はもとより、海外にも販路を拡大するため、出張も多くて忙しい日々を送っていた。責任のある役職も任されて、彼なりに充実した日々だったのではないかと思う。だけど、彼の中にはある不満が膨らんでいたのだ。なぜならば次第に設計の仕事から遠ざかっていったから・・・。

「一度しかない人生なんだから、好きにすれば」
と理解のある返答をしてしまった私。
今思えば、もっと熟慮すべきだったのかもしれない。後に私もその仕事に深く関わることになるなんて、その時は露ほどにも思わなかったから・・・。

小池さんに退社の意向を伝えたものの、なかなか承諾は得られない。それはそれで有難いことなんだけど。ついには説得のため自宅まで行った。(なぜ私まで一緒に行かなければならなかったのだろう。未だに解せないなあ)
所長の意思が揺るぎないので、あの小池さんも根負けしたのか
「棺桶に片足を入れるときに、恨まれたらいけないからね」
とようやく首を縦に振ってくれた。

設計というものに魅せられた人間を、誰も止めることは出来なかった訳だ。それほどまでに設計というものは魅力的なものなのだろうか。
承諾を得てホッとする所長とは対照的に、小池さんは何だか寂しそうだった。入社以来18年間、何かと所長の面倒を見てくれた人、所長に建築の才能を感じて、大切に育ててくれた人だ。私はとっても感謝している。

一昨年前、OMソーラ協会を退いた小池さんは小池創作所を設立した。今、同じ町内(歩いて2,3分のところ)で仕事をしている。二人は離れられないんだなあ。
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