徒然乃記

愛猫の事、日常の些細な風景、そして仕事(建築)の事等を徒然に綴っていきたいと思います。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

不思議な縁!

「会社辞めていいかな?」と突然、所長が呟いた。
当時、所長は小池さんが理事長をしていたOMソーラー協会で働いていた。その会社は、簡単に言うと東京藝術大学の奥村先生が考案したソーラーシステムを普及する会社で、企画力もあり、推進力もある小池理事長のもと、全国の工務店はもとより、海外にも販路を拡大するため、出張も多くて忙しい日々を送っていた。責任のある役職も任されて、彼なりに充実した日々だったのではないかと思う。だけど、彼の中にはある不満が膨らんでいたのだ。なぜならば次第に設計の仕事から遠ざかっていったから・・・。

「一度しかない人生なんだから、好きにすれば」
と理解のある返答をしてしまった私。
今思えば、もっと熟慮すべきだったのかもしれない。後に私もその仕事に深く関わることになるなんて、その時は露ほどにも思わなかったから・・・。

小池さんに退社の意向を伝えたものの、なかなか承諾は得られない。それはそれで有難いことなんだけど。ついには説得のため自宅まで行った。(なぜ私まで一緒に行かなければならなかったのだろう。未だに解せないなあ)
所長の意思が揺るぎないので、あの小池さんも根負けしたのか
「棺桶に片足を入れるときに、恨まれたらいけないからね」
とようやく首を縦に振ってくれた。

設計というものに魅せられた人間を、誰も止めることは出来なかった訳だ。それほどまでに設計というものは魅力的なものなのだろうか。
承諾を得てホッとする所長とは対照的に、小池さんは何だか寂しそうだった。入社以来18年間、何かと所長の面倒を見てくれた人、所長に建築の才能を感じて、大切に育ててくれた人だ。私はとっても感謝している。

一昨年前、OMソーラ協会を退いた小池さんは小池創作所を設立した。今、同じ町内(歩いて2,3分のところ)で仕事をしている。二人は離れられないんだなあ。

スポンサーサイト

PageTop

Bio 森の家

建て主と何回も打ち合わせを重ねた後に、所長が提案する基本プランは、大概、予算よりもオーバーしている。何故なら皆こだわるから、どうしてもプランが要望優先になる。だから予算と要望との間で葛藤が始まる。思い切りの良い建て主もいるけど、そうじゃない場合も少なくない。
「ご夫婦、ご家族にとってこれがベストです」
と所長が太鼓判を押したプランだ。
「どこも削りたくない、出来ればこのまま建てたい」
と云う建て主の意見は、設計者冥利につきる。だけど現実を考えると、なかなかねえ・・・。
何処をどう削って良いか分からない建て主もいるし、無理をする建て主も出てくる。

「皆さん、家ばかりに費用を割くわけにはいかないでしょう。建て主を悩まさないためにも、もう少し予算重視のプランを提示すれば良いじゃない」
って私が言うと
「建て主は期待して事務所を訪ねて来る訳だから、その期待に応えなければならない。ベストプランを提示する義務がある。それが設計者としての勤めでしょう」
と言っていた。それほどまでにも建築に対しては頑固な人だった。
そう以前なら・・・。

その所長が、小池創作所の小池さんが提案しているスタンダート住宅(Bio 森の家)に取り組んでいる。スタンダート住宅とは、設計者の感性を生かしながらも、設計に制約を設けるというもの。家のクウォリティーを保ちながら、予算を抑えることが課題だ。年とともに幾分人間が練れてきたのだろうか。
まあ、ここ数年、家を持ちたいと希望する世代が若くなっている。家賃を払うよりも、自分達にとって良い家に住みたいと考える。だけどあまり建築資金はない。そういう世代の需要に応えたいのだろう。

また、耐震偽造問題が発覚してから、建築基準が厳しく見直されている。今後は住宅においても構造計算が必要になるだろうと云われ、住宅の性能を重視する傾向がある。心地良さや質感等、五感に働きかけるような部分は置き去りにされていくようだ。それって、住まい手にとって良いことなのかなあ?そんな危惧があるのかもしれない。

それに、あのフランク・ロイド・ライトだって、一般的な家族のために、ユーソニアンハウスと名づけられた、手ごろな価格で魅力的な小住宅郡を設計している。

PageTop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。